土鍋でご飯を炊くと美味しくなる理由は?現代の便利のものは昔を超えられない?!



土鍋でご飯を炊くと何であんなに美味しいの?

土鍋で炊いたご飯を食べたことがありますか?
なぜか違うんですよね!
同じお米でも。

土鍋マジック

とでも言いましょうか、
お米一粒一粒がしっかりとふっくら炊き上がり、
味がある甘味。

なんでこんなに違うのでしょうか?



その理由・土鍋の特性について考えるとともに、
便利さの代償に失われているものが多い
という点にも考えていきたいと思います。


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土鍋でお米を炊くと美味しくなる理由

土鍋でお米を炊くと美味しく感じる…
のではなく、
実際美味しくなるのです!

その理由として、
土鍋の特性とお米が関係してきます。


まず、お米側に関して、
お米が美味しくなる条件としては、

ある成分がしっかり働いて、
お米本来の甘味や旨味成分を引き出せるか?

これがポイントになってきます。

そして次に、
土鍋の特性が大きく関係してくるのですが、
その特徴として、

1 熱の伝わり方が遅い
2 保温性が高い

ということが最大の特徴です。


つまり、
お米の旨味成分を引出し活性化させる温度帯こそが
土鍋の特性なのです。

では詳しく見ていきましょう。



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土鍋に引き出される酵素(アミラーゼ)

お米を美味しくさせるキーマン的存在となるのが、
アミラーゼという酵素
になります。

実際アミラーゼが活性化する温度というのが、
40〜50°C
です。

この酵素が活発化する条件というのが、
土鍋の温度上昇特性、
とぴったりなのですが、

この温度帯にどれだけ長い時間滞在できるのか?
これがポイントとなってきます。

その条件とマッチしたのが、
土鍋なのです。


先程も申しました、土鍋の特性のうちの、
『熱の伝わり方が遅い』
という事で、

じわじわと温度が上昇する具合が、

アミノーゼ活性温度帯に、
長く居させるのです。


ここで少し余談ですが、

“ご飯を噛み続けていると、
だんだん甘くなっていった”

なんて経験ありませんか?


それは、お米の中以外にも
唾液に含まれるアミノーゼが消化活動を助け、
甘味や旨味成分を口の中で作り出したからなのです。

人間の体温がだいたい36°C〜37°C
土鍋の原理が再現されている訳です。


現代の便利のものは昔を超えられない?!

今でこそ、
土鍋でお米を炊く機会は少なくなりましたが、

昔の人が
『熱伝導が…』や
『アミノーゼを活性させるには…』
とか、

理解して狙ってやっていたか?
と言うとそうではないと思います。

土鍋しかご飯を炊く手段がなかったための、
当然の手段であった…


しかし、
その手段というものが”炊飯”において、
とても理にかなっていたのです。

それが、

現代における炊飯器などは、
手間や早さ、簡単さなどと引き換えに、
本質とも言える”美味しく炊き上げる”

というモノを失ってしまったと言っても、
過言ではないかと思います。

現代の調理器具と比べても、
その部分では土鍋が負けていない、

という点が素晴らしい、かつ、
皮肉なものと思います。


今回の土鍋に限ったことではありませんが、
技術の進歩や進化によって、
便利になる一方、

自然に備わっていた大事な本質が、
知らず知らずのうちに消滅してしまっている…
というものがあります。



例えば、

・野菜のあくやえぐみを、
品種改良によって無くしたり
(あくやえぐみも旨味の一つ、野菜本来の味)

・稲作に関して、
早く楽に多く収穫できるように、
化学肥料や農薬を多用したせいで、
稲本来の力で成長する力や、養分を吸収する力が弱まり、
いわゆる”.薬漬け”のような状態になってしまっています。

これらは一つの例でありますが、

何でもかんでも、
便利で効率的に発展・進化させることが
決して良い事ではないように思えてなりません。

その点、
土鍋でご飯を炊くことが、
目先の簡単さや早さではなく、

手間はかかるけど、
美味しく炊き上げられる

という点に脚光を浴びることは、
大変良いことだと思います。

古き良き文化は、
実に理にかなったものが多く存在していたのに、

性能が上がって、
本質が失われるではお話になりません。

便利になる際はこの本質面も含めて、
進化させてもらいたいものです。

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