私の持論ですが、
料理人が一番料理を学べ、成長できる場所は、
学校ではなく、現場が一番だと思っています。
ただ料理を作るだけなら誰でもできますが、
現場ではイレギュラーやトラブルが日々起こります。
そこで、
普段と同じかそれ以上の仕事をどんな状況下でも成し遂げる…
これが現場です。
その為、
・優先順位や仕事の流れ
・忙しい中での動きやスピード
・段取りや準備
など、
レシピ以外にも身につけなければ、
料理人として一人前にはなれないことがたくさんあります。
このようなことは、
学校ではなく現場で実際働くことで身につくと、
私は思っているのですが、
では実際、
どのような現場で働けばいいのでしょうか?
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料理の世界大きく分けると…
私は和食の料理人ですので、
和食の世界のことしかわかりませんが、
料理人が働く職場として、
大きく分けて3つに分けられるかと思います。
・有名高級専門料理店
・大衆的ワイワイ料理店
・チェーン料理店
この3つの料理屋で考えなければならないのが、
・仕事量
・料理人数(ライバル数)
個人的なお話をさせて頂くと、
私はこの3つのパターンのお店で働いた経験があります。
その私が働いた経験上の、
それぞれの特徴を説明しますと、
(それが全てとは限りませんが)
〈高級料理店〉 ex 政治家も来る料亭
→先輩がしっかりついて教えてくれる⁈(メリット)
→仕事の取り合いになる⁈(デメリット)
・作業ポジションが固定される
→集中して仕事を学べる⁈(メリット)
→他ポジションの仕事に触れづらい(デメリット)
〈大衆料理屋〉 ex 居酒屋
・あまり多くない人数で調理場を回す
→多くの料理に触れるチャンスがある(メリット)
→多く仕事を抱えることになる(デメリット)
→色々なことが覚えられる(メリット)
→覚えることが多い(デメリット)
〈チェーン料理屋〉 ex 和食ファミレス
→料理を作るより教えることや店をとり仕切るのが仕事
・しっかり料理をしたい人には物足りない
・お金や福利厚生はいい
・企業人として出世も可能
一概には言えない部分がありますが、
和食料理人であります筆者が、
3つの職場で感じたそれぞれの、
料理スタイルとメリットデメリットを書かせていただきました。
次にもう少し補足してみたいと思います。
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私も経験上、
独断と偏見で書かせて頂きましたが、
補足させて頂きます。
<高級料理店=料亭>
料亭は大体予約制。
一日に作る料理というのがあまり多くなく、
結構限られていました。
私の働いていた料亭は、
一日に5件もあればいい方。
5件で1組2人と仮定して、
コース料理なら料理数がせいぜい5、6品。
ポジションに2人くらいの料理人がいるとして、
それぞれの料理は、
そのポジションの人間が作るので、
1種類の料理を、
2人で10回作ればその日は終わり。
お客さんがどんどん入ってきて追われるというより、
決められた順番に淡々とこなすという仕事のイメージです。
(その店は)
ただ、料理は本物。
食材もいいものを使える確率は高いですね。
ですが、本物の料理は見れますが、
数をこなせないのが難点かと思います。
また、様々な料理に触れるための、
ポジション経験を積むのに時間がかかります。
それまで、
その店で骨を埋める覚悟で長く働けるか?
ですかね?
<大衆料理屋=居酒屋>
私が働いていた居酒屋では、
3人で50席を相手に料理を作りました。
少ない人数で多くのお客様相手に、
多くの料理を扱えます。
料理数も60品あれば、
1人単純計算20品。
常に何のオーダーが来るかわからない状況で、
1人で対応する。
この出たとこ勝負感、メリットは、
・料理を作るスピードが早くなる
・”手”が早くなる
・優先順位を考えて作業できる
料理人の筋トレみたいなもので、
忙しい店は本当鍛えられます。
これを楽しいと思うか?辛いと思うか?
ここが料理人の分かれ道かと思います。
問題は料理内容ですね。
高級料理店ほどいい食材は使えないものの、
基本的な調理技術は、学べるとは思います。
(その店の上に立つ人次第ですが)
そこをどう思えるか?
例えば、使う食材の差は?というと、
・料亭なら松茸やクエやハモ
・居酒屋なら舞茸やしめじ、アジやサバ
(あくまでも例えばの例。高級食材と大衆的食材という比較)
高い食材が必ずしも”いい”という訳ではありませんが、
自分の目指す料理人の”高さ”みたいなものに、
差を感じるかもしれません。
刺身も切るが野菜炒めも作る…
みたいな環境に耐えられるか?
もちろん、
焼く、煮る、揚げる、切るは必要な技術です。
そこを割り切って仕事できるか?ですね。
<チェーン店=ファミレス>
ファミレスはオペレーション重視で、
自分が料理を作ると言うより、
いかに人を上手く動かしてお店を好回転させていくか
です。
料理もセンターで作られる料理を温めるのが多く、
調理技術は身に付きづらいかと。
そんなファミレスで働くメリットは?というと、
・給料体系がしっかりしている
・会社組織の一員として出世できる
と料理人としては、
あまり関係ないものですね。
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料理人として成長できる職場は?
個人的に、
”料理人として成長できる場所”は、
ファミレス以外ならどの職場も成長できるかと思います。
ただし、
その料理店ごとにメリット、デメリットは存在します。
そのメリットが、
・自分の成長に必要なもの
・自分に足りないもの
その自分に足りないパズルを埋めていくように、
働いていけばいいのではないでしょうか。
個人的に、
料亭も大衆居酒屋も経験しましたが、
その両方を知ることで、
料理人としてのあらゆる技術が身についたと思います。
鯛の尾頭付きの姿盛りもできれば、
チャーハンの鍋も振ることができます。
松茸も扱うことができますし、
納豆の美味しい調理方法も知っています。
私はあまり偏ることなく、
様々な”調理”というものに触れることが、
成長に必要なものなのではないかと思います。
もし、調理の世界の、
どのフィールドの行くか迷われている方がいるのなら、
貪欲に”全ての世界を制覇”することをお勧めしますね。
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