料理人を目指すなら、
学校は大学に行くべきだ!
和食料理人 たんとです。
以前、
高校生から相談を受けたことがあります。
「料理を学ぶなら専門学校に行った方がいいですか?」
私の答えはNOですね。
それならすぐに現場に飛び込んだ方が、
技術は上達するでしょう。
個人的な意見で、
全ての人に当てはまるとは限らないのですが、
専門学校さえ出れば、
必要な技術が身に付けられると思っている人が、
多いような気がします。
実際は、
専門を出てもその店では0からです。
(即戦力という印象の子に当たったことがないもので)
しかし、
長い目で見て一(いち)社会人として、
将来を見据えて選ぶなら、
料理人も、もう大卒の時代かと思います。
20年料理人やってきた筆者の考えは、
『学校に行けるのであれば、むしろ大学に行くべき』
今の時代、
料理だけできてもダメな時代なのです。
そして今後もその風潮は強くなるでしょう。
ではなぜ、
現場の料理人は大学進学を勧めるのでしょうか?
スポンサードリンク
20年料理人をやって思うこと
ここで恥かしながら、私の事を少々。
今年で40+α歳の大卒料理人です。
当時大学卒の料理人なんて、
「親不孝だ」
と、影で言われたものです。
また、
4年間という一見遠回りのように見える期間。
ここがポイントなのです。
実際、大卒だからといって、
調理技術に影響がある訳でもなく、
美味しいものを作れるようになる訳でもない。
若い頃はただガムシャラに取り組んできました。
それから20年近くが経ち、
私もある程度上の立場になって、
「大学出てて良かった」
と思える事が増えてきましたね。
また、今だからこそ、
「大学時代こうしておけば…」
という事も見えてきました。
そうなんです、
大卒効果が出たくるのは、
結構、時間が経ってからですかね。
スポンサードリンク
料理人を目指す人の大学進学のメリット
今日、中堅クラスのやり手の料理人でも、
料理の腕前だけで世間を自由に渡り歩ける時代は、
終わりました。
今の時代、
料理技術+αが、
ないと社会では認めてもらえません。
簡単に店を移れないのです。
その+αに、
『大卒』が大きな武器になるのです。
料理人が料理だけ作っているだけでは、
もうダメなのです。
今求められるのは、料理はもちろん
・マネージメント
・人材育成
・数字的部分がしっかり見れる
などなど。
こういった人材が、
今の時代求められる料理人像です。
また、
自分がランクアップ目的での転職や、
有名なシェフの元で働きたいと思ったとき、
他の料理人と差別化できるアイテム、
つまり、
自分を大きく見せてくれる武器になるのです。
また、大学進学を勧めるもう一つの理由は、
自由な時間
です。
この時、
料理の世界に進むことが決まっているなら、
絶対チャンスです。
というのも、
アルバイトという制度を使って、
自分の進みたいスタイルの仕事に慣れる事も可能です。
まして、
正社員では到底採用されないお店にも、
アルバイトなら潜入できます。
仮に自分がその立場でしたら、
自分の進みたい業種とは別の世界に飛び込みますね。
和食を目指すのなら、
イタリアンとかフレンチとかの世界を知ることも、
大いに勉強になると思います。
なぜなら、
就職したら他の業種など、
見ることも、触れることも、まずできません。
これぞ、自分を飛躍させる
『生きた教材』なのです。
学校で習うよりも、
こっちの方が断然身につきます。
しかも、将来、
フレンチの技法を和食に用いる
なんて事も可能。
知っているか、知らないかでけでも、
自分の技術アップにも大いに役立ちます。
それこそ、オリジナルな、
自分だけの料理の世界観を表現できるのです。
今日では、
フレンチのシェフが柚子や味噌を、
フランスに持ち帰り、使う時代です。
むしろ知識として頭に入ってないとダメな時代なのです。
大学時代、
アルバイトという期限付きの体験を有効に活用しない手はないのです。
もっと視野を広げるなら、
料理以外の仕事を見ることだって、
料理につながります。
大事なのが、
何事も目的を持って行動すること。
そして、
その先にある目指すべき世界につなげること。
こんなこと意識して生きている、
大学生なんて殆どいないでしょうが、
これが、
私の考える大学に行くべき意味なんです。
料理人になる為に、
その世界の枠内しか知らないなんて、
大きく成長出来ないです。
その自由な時間に、
その枠を飛び出した一見関係ない世界を知ることも、
その世界を極める上で必要なものになってくるのです。
食べ物で例えるのなら、
人間サプリメントさえ摂っていれば、
健康になれるでしょうか?
必要な栄養だけあれば生きていけるのでしょうか?
ごはんもおかずも、
100%全て栄養になるか?というかと、
ならないでしょう。
大根、キャベツ、野菜、その他食べ物…
栄養とは関係ない葉っぱの部分、繊維の部分を食べることは、
決して無駄ではないのです。
確かにカスの部分かもしれませんが、
そこを食べないとその野菜が何か知ることは、
できません。
その野菜の味、甘み、香り、食感を楽しむことも、
人を幸せにし、
生きていくうちで大切なことだと思うのです。
一見無駄なようなものでも決して無駄ではない。
真の健康を得るには無駄な部分も必要なのだと思います。
料理人になるには、
料理以外の知識も必要な材料なのだと思います。
最後に
今回は、
今の時代、料理人を目指すなら、
行くべき学校は大学に!
というお話でした。
大学に行くメリットは、
・将来の自分のキャリアアップの為に『大卒』が必要なアイテムになる
・大学時代の自由な時間にこそ、貴重な体験が楽にできる
ということで、
大学に行けるのなら行くべきだと思っております。
実際働いていて、
思うことなのですが、
今の時代、美味しい料理だけ作れても、
出世もしなければ、稼げもしません。
料理人+α を身につけておかないと、
将来路頭に迷いかねないです。
その+α の簡単なアイテムの一つが
『大学卒』
これがまだ今ならまだ通用するのです。
スポンサーリンク
コメント
こんにちは。
以前質問させていただいた海です。
大変ためになる記事をありがとうございます!
大学生活が始まって約2ヶ月たちました。まだ慣れないこともありますが、たんとさんにいただいたアドバイスを思い出しながら生活しています。
+αの力を身に付けられるように努力したいと思います!
これからも記事を楽しみにいています。
海さん、こんにちは。
海さんみたいに、しっかりとした目的意識を持って、
大学生活を過ごしている人間なんて本当いません。
でも、それを義務みたいな感じにしないで、
楽しみながら過ごしていけばいいのでは、
と思います。
極端な話、
コンビニの弁当ですら意識して食べれば、
「この味つけいいな!」
なんて料理の発想の発見もできます。
要は日々の過ごし方。
高い意識を持ちつつ、
夢に向かっての意義のある寄り道。
そんな心構えでいいのでは。
私、記事更新が止まっちゃってますね。
海さん見習って頑張らねば!
ではでは。また何かありましたら…。
たんとさん
こんにちは。海です。
私は大学3年生が終わり、いよいよ3月から就活が始まります。そこでたんとさんに相談がありコメントさせていただきました。
私は相変わらず料理の世界へ進みたいと思っておりますが、調理師専門学校へ行こうとは考えておりません。大学卒業後は一般企業にも就職せず、そのまま学びたいお店で修行を始めたいと考えております。しかし、大学を卒業しただけの素人を雇ってもらえるのか不安です。
素人を雇ってもらえるものなのかという事と、学びたいお店に応募をする際のポイントやアドバイスなどあれば教えていただきたいです。
お忙しい中恐縮ですが、お返事お待ちしております。
海