無断キャンセル問題
この問題がテレビなどで報道されて、
「ひどいなぁ」
と受け止めてくれる方が多いと思います。
しかし、
この無断キャンセルをされることによって、
現場では、
実際どのような事が起きているのか?
具体的にどのような被害が生じているのか?
どうか、
ここまで知って頂きたいのです!
この記事を見て、
少しでも無断キャンセルする事を
思い留まって頂ける方が増えれば幸いでございます。
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無断キャンセル現場では何が起こる?
『新橋の〇〇居酒屋では1人6000円100名の予約が
無断キャンセルされました』
というニュースが流れました。
6000円×100人なので
60万円の売り上げがパー…
という簡単な数字だけじゃ片付けられません。
ここから具体的に見ていくと、
まず料理。
仮に飲み物代を差し引いても
料理代は4000円〜5000円くらいかと。
この金額でコース料理を組む場合、
私のお店なら8品の料理が提供されます。
品数で言えば、
8種類の料理×100人分
これら料理が当日、
当然ご来店されると思い準備するわけですが、
数が数なだけに、提供のスピードを重視して、
ある程度のところまでは段取り・準備が
進められることでしょう。
例えば和食のお店で、お刺身を提供するなら、
切った状態にしておかないと間に合いません。
米だって炊きます。
大量に炊いたお米は繰り返して使うことはありません。
ロスです。
流石に捨てることはしたくないので、
冷凍してまかないに使うとかするのですが、
この大量の米を保存する冷凍庫スペースは
米で埋まります。
仕舞いたいモノが仕舞えない
そんな事も起こってきます。
他にある程度盛り付けておくものや、
途中まで火を入れておくものも中にはあります。
このように、これだけの大人数の場合
宴会スタート=料理をはじめる
では間に合いません。
そうなった場合
食材はもう後戻り出来ない状態になっている物もあります。
先程の刺身みたいなものは、
刺身として使う事は不可能。
こうなると、
次に使うということが難しくなり、
そのもの自体の価値は下がります。
それが100人前ですからね。
金額的に見ると、
原価率30%が相場の飲食業界で、
単純計算材料費は18万円
しかしこの18万円は
60万円を生み出す18万円ですから。
決して安いものではありません。
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また100人前の料理の仕込みにかかる時間は
少なくとも3、4日は要します。
それは通常営業の仕込みにプラスして、
作業量が増えるわけですから、
仕事量の増加を余儀なくされます。
終わらないようなら、
早出出勤、もしくは残業
下手すると休みすらなくなる場合もあります。
それが仕事だと言われればそれまでですが、
この作業が全て無駄になると考えると
この苦労は何だったのか?と
考えてしまいたくなります。
また、
この予約に対して私のお店なら、
従業員を1、2人増やして対応したいところです。
この宴会4時間くらいと想定すると、
会の準備から宴会片付けまで、
6時間くらいの労働時間となります。
時給1000円×6時間×2人
普段なら必要ない無駄な出費です。
また、
これだけの人が入るスペースを確保するということは、
お店に来たくても来られないお客様を断らないとならない、
でも席は空いてしまっている…
なんとも複雑な状況が発生します。
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飲食店の予約はもっと厳しくてもいいのでは?
ホテルの予約などでは、
しっかりキャンセル料が設定されているのに、
飲食店は優しいと言いますか、緩いと言いますか、
あまり厳しく追い立てないように思います。
少なくとも、飲食店では、
キャンセル=”キャンセル料”
という発想は少ないと思います。
もっと厳しく対応する風潮が生まれてもいいと思います。
そんな社会問題化している中、
無断キャンセル問題に
ようやく対策がとられるようになってきています。
・事前決済システムの導入
予約時にカード情報を登録してもらい、
事前の支払いが保証金のような役目をする。
これは効果が期待できると思います。
最近では、
キャンセル料を代行回収するサービスも登場。
この回収を代行するのが弁護士さんというから、
心強いです。
このように、
飲食店の泣き寝入り状態は少しずつではありますが、
改善されつつあるようです。
とはいえ、
やはりそこはお客様と飲食店との信頼関係。
無断キャンセルでこのようなことが飲食店で生じていると、
少しでも知ってもらえたら幸いでございます。
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